Low Voltage Closet Child

音楽と楽器が好きな人がいろいろなものをレビューするところ。

配信向けのマイクとか他一式について

 

ここ数年の巣篭もり需要からか配信向け機材の相談を受けることが多くなった。

相談相手はYouTubeやTwitchなどのゲーム配信者や、リモートワークできる環境が必要になった社会人など。

音楽業界以外の人たちとこういった機材のことで共通の話題ができるというのは驚きだった。

そこで、一つシチュエーションを設定してどんな機材を選ぶのがいいのかまとめてみようと思う。

 

 

◇条件

◯予算 10万円程度

大人がはじめる趣味の初期投資はおおよそこんなもんだろうという設定。

これより安くするとしたら、USBマイク1本買うほうがいい。

そもそも最近のUSBマイクは3万円程度でもすごく音がいい。

 

◯パソコンスペックは最低限のもの

というのも、最近のオーディオインターフェイスには接続するパソコンの性能を求めるものがある。

そういったものに依存しないような、低スペックPCで使えるもので考える。

 

◯音質もちゃんと考える

配信する場合はネット環境などにより、音質が著しく低下することが多い。

そういった時に原因がマイクや機材なのかPCなのかネットなのかと悩むことは非常にストレスだ。

そんな環境でも信頼して使えるようなものを選ぶ。

 

◯声質 歪み気味

自分の声質の問題だが、普段は声が小さくこもったような声質をしている。

そこで人と話すときはいつも声を張っているのでしゃがれた声質になる。

落ち着いた声質とか明るい声質の人は参考にならないと思う。

 

 

 

◇オーディオインターフェイス

Universal Audio VOLT176

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https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/298788/

スタジオで仕事をする時、常々音が良いと感じるブランドのものだ。

この「音が良い」というのは演出力のことで、ノイズなどが入ったとしてもそれをいい感じの“味”にしてくれる。

それはしゃがれた声に対しても同じ効果があり、耳に付くイヤな部分はマスキングしてくれる。

シルクスイッチやプリアンプスイッチを点けるとその効果がより強くなり、歪んだ声質をいい感じの“枯れ感”へと整えてくれる。

同価格帯で考えても音質は間違いはないし、他に選択肢はないだろうと思う。

また、人気ブランドということで使い方などは検索すればすぐに見つけることができることも利点だ。

デメリットがあるとすれば見た目が趣味に合わないという人がいるくらいだろうか。

これよりも安い価格帯のオーディオインターフェイスを探すのなら、潔くUSBマイクを選んだほうがいいだろう。

 

また、上位機種の場合は接続がLightningケーブルだがこちらはUSB2.0というのも案外都合がいい。

さらに上位機種は接続する際にパソコンスペックが高いものでないと相性が悪かったりもする。

レコーディングスタジオクラスの高音質を目指す必要のない配信者向けとして非常にちょうどいい設計だ。

 

 

◇マイク

SHURE SM7B

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https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/69788/

まず卓上に常設するということでコンデンサーマイクはNGとした。

夏場は湿気でサビるし、もしスタンドごと倒そうものなら修理センターへ直行するほど脆いからだ。

また、急に大声を出そうものならそれも故障の原因となる。

あげればキリがないほど配信に向いていないマイクだ。

そこで最低限の選定基準がダイナミックマイクになるのだが、そこで目をつけたのがこのSM7Bだ。

元々、メタル系ボーカリストがライブやレコーディングに使っておりパワフルな声質にマッチする印象は持っていた。

そのため配信用のマイクとしての印象はなかったが、渡辺直美さんがYouTubeの配信で使っているのを見かけた。

その瞬間「あーたしかに!」と彼女の声とマイクの相性の良さに膝を叩いたものだ。

パワフルでかつニュアンスの幅も広い声というのはコンデンサーマイクでは拾うのが難しいことが多い。

それに対してどんな表現もキッチリと拾い上げるダイナミックマイクはまさにベストマッチに見えた。

それこそまさに配信向けマイクの最適解だと納得するほどの1本だ。

 

 

◇マイクケーブル

CANARE

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https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/22590/

URLサイトは5.0mのものだが、だいたいこんなもので足りるだろう。

ちなみにケーブルの長さで音が変わるという話があるが、10.0mくらいまでならそこまで気にならないだろう。

このメーカーは信頼・安定・実績ということで多くのスタジオワーカーに愛されている。

変にブランド料が付いたちょっと高いケーブルを買うくらいならこれを買うべきだ。

 

 

◇マイクスタンド

K&M 23325

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https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/190852/

机にポン置きできるタイプのもの。

普段はTAMA社のマイクスタンドを愛用しているのだが、机に置くタイプの場合はこちらの方が安定感がある。

マイクを取り付けるということから、どうしても重心が上のほうに行ってしまいバランスが悪くなってしまうがこれならば大丈夫だろう。

 

 

 

一応、これだけそろえれば配信をはじめることができるだろう。

もし、他に予算が余っていたらスピーカーを買うなどするといいと思う。